昔、居た猫の事。
まだ中学生の頃、母が友人から猫をもらった。
元々飼っていた飼い主が1歳ぐらいになった彼を「子猫じゃなくなったから」という理由で動物病院に持ち込んだらしい。
当然先生は引き取りを断ったが、そのまま置いて行ってしまった。
その子を母の友人が一時預かりをし、母に相談、そしてうちに来た。
名前は「クローバー」、名付けたのは母だったか、僕だったかはっきりとは覚えてないが、名前の由来は彼の境遇を思いこれからは幸せに過ごして欲しいとの意味を込めて「幸運の四つ葉のクローバー」からとったのだけは覚えている。
長毛種であまり鳴かず、よく窓から外を見ている大きな丸い背中の子だった。
僕も可愛がったが、母が特に猫っ可愛がりしていた。
今でも思い出話でクローバーの事をよく褒める。
一人暮らしをしてたりとで、ずっとそばには居なかったが、実家に帰った時は甘えながらお腹を撫でさせるためのゴロンゴロンと転がって来ていた。
僕の猫(飼い猫)のイメージはクローバーがデフォだと思う。
ざらめやぼんを見ていてもクローバーと頭の中で比較している。
「クローバーより鳴く子だな」「毛玉が全然できなくて楽だな」etc
たくさん撮っていた彼の写真のほとんどがHDDが壊れた時に無くなってしまった。
いつか居なくなるざらめとぼんの思い出は写真として少しでも多く残したい。
ただ、記憶としては、1000万画素の画像ほど鮮明では無かったり、PC上の変更しないかぎり変わる事のないデータほど正確ではないが、彼との思い出はふわふわ揺蕩いながら、ぼんやりとだが優渥に今も残り続けている。